事柄を確かめるために行われる実験。
化学をはじめ、様々な分野で実験が行われていますが、皆さんは、Universe25(ユニバース25)という実験をご存じでしょうか?
この実験は、動物行動学者のジョン・B・カルフーンという方が行ったものです。
ジョン・B・カルフーン - ウィキペディア (wikipedia.org)
動物による実験はたくさんありますが、
このユニバース25という実験があまりの衝撃だったのでご紹介いたします。
どんな実験?
まずは、ユニバース25がどのような実験かをご紹介いたします。
自然界では天敵や食物連鎖により個体数は均衡を保たれていますが、天敵がいなくて食物にも困らない、いわゆる「楽園」の状態で過ごせばどうなるのか?を調査したもの。
具体的には、豊富な食料と水が補給される広い空間に健康なネズミを8匹(4組)を放ちます。
広い空間は4つの部屋に分けられて、部屋と部屋は自由に行き来ができる状態にしてあります。
この状況でネズミがどのような行動をするのかを観察するものです。
8匹のネズミたちはどのような生活を送っていくのでしょうか。
第1期 個体の増加
空間の中には15匹以上入れる巣作りのスペースが250程あり、3,000匹以上を収容できるようになっています。
ネズミにとって過ごしやすいこの空間では、ネズミの人口? ネズミの個体数は倍々で増え続け、最初8匹だったネズミが315日ほど経ったときに620匹まで増えました。
このまま順調に増え続けるかと思いきや、そこから出生率が減少していきました。
個体の増加も緩やかになっていきます。
各スペースに均等に散らばればより過ごしやすいと思うのですが、なぜか13匹しかいないスペースと、100匹以上のネズミが窮屈に暮らすスペースに分かれていきます。
第2期 格差社会
ゆったりと生活ができているネズミと窮屈に生活しているネズミ。
315日目以降、ネズミの社会に格差ができてきていることがわかりました。
ネズミ同士で争いをし始めて、ボスになろうとする権力闘争が起きるようになりました。
2世や3世の新たに生まれた子ネズミも、成長すると争いをするようになりました。
こうしてボスになったネズミはゆったりと空間を利用することができました。
またボスに囲われたメスのネズミは子煩悩になり、子ネズミの世話を良くしていました。
ここでの出産後の子ネズミの死亡率は50%に保たれていました。
一方で、争いに負けて窮屈に暮らすネズミたちは一斉に餌を食べに行くようになりました。
本来ネズミは1匹で活動するはずなのに、1匹で餌を食べているネズミはどこか不安そうで、やがて多数のネズミと行動を共にするようになりました。
ここで暮らすオスは、性別を問わず無差別に強姦してしまいます。
また、メスは巣作りがうまくできませんでした。子育てもできず、産んだ子供を運ぶときに落としてしまい、ほかのネズミに食べられたりしました。 餌はたくさんあるにもかかわらず、、、
この窮屈に暮らしているネズミたちの出産後の子ネズミの死亡率は、90%にもなるでした。
一部のネズミは、引きこもりとなりました。
引きこもりのネズミは争いをしないため、キズはなくキレイで健康的な身体をしています。
しかし、他のネズミに興味を示さず、交配をすることはなくなりました。
他のマウスとの関りを避けて暮らすようになり、ほかのネズミからも避けられるようになりました。
第3期 死の段階
560日目からは、個体数の増加は完全に停止してしまいました。
600日目からは、死亡率が出生率を上回ってしまいます。
新しい世代のネズミは、交配や子育て、領土を守るといった概念がなく、食事や身だしなみを整えることに時間を使いました。
この後、徐々に交配や社会への関与を拒否したネズミが、ギャングを形成して略奪などを繰り返すようになりました。
920日目に最後の妊娠を確認されましたが、生まれることはありませんでした。
そして、1780日目には最後のオスが死亡して、あとは滅亡を待つのみとなってしまいました。
最後に
楽園・パラダイスを与えられたネズミは、あまりにも早く滅亡を迎えてしまいました。
たまたまこの結果が出たんじゃ?と思う方もいるかもしれませんが、この実験は名前の通り25回行われており、その全てで同じ結果となってしまっています。
あくまで、ネズミで行った実験ですが、あなたはどう思いましたか?
先進国の中にはすでに人口が減少している国もあります。日本も含めて。
人間には、これからどのような未来が待っているのでしょうか?
それではまた!
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