【映画】コリーニ事件 あらすじネタバレ感想 ドイツの法制度に影響を与えた社会派映画!!
2020年に日本公開となった、ドイツ映画コリーニ事件
ドイツの小説家、フェルディナント・フォン・シーラッハさんの小説がもととなった映画です。
今回は、社会派なサスペンス映画 コリーニ事件についてご紹介いたします!
ネタバレとなりますので、ご理解の上ご覧ください。
あらすじ・ストーリー
前半
高級ホテルのスイートルームで実業家ジャン・B・マイヤーがファブリツィオ・コリーニに殺されるという殺人事件が発生する。
新米弁護士の主人公カスパー・ライネンは、この殺人事件の弁護をすることとなる。
コリーニの弁護人となったライネンだが、被害者のマイヤーは自分の父親代わりであったハンス・マイヤーであることが分かる。
マイヤーの娘、ヨハナ・マイヤーはライネンの元恋人。そのヨハナから弁護をしないでもらうように説得される。
弁護を続けるか悩むライネンだったが、恩師であるリヒャルト・マッティンガー教授から職務として全うするように諭され、弁護を続けることにする。
弁護士として、減刑を目指して奮闘しようとするライネンだったが、コリーニは黙秘を続けており、一向に口を開くことはなかった。
中盤
事件を調べていると、殺害に使われた拳銃がワルサーP38であることが分かる。
古い銃であり現在は入手がしづらいことに疑問を持ったライネンは、この銃を見た記憶があった。
ライネンはヨハナ(マイヤー)の自宅へ向かい、本棚を調べるとワルサーP38を見つけるのだった。
黙秘を続けているコリーニにワルサーP38の写真を見せると、明らかに動揺する。
何かを察したライネンはコリーニの出身地であるイタリアのモンテカティーニに向かう。
モンテカティーニでの聞き取り調査をすることで事件の動機が徐々に見えてくる。
”第二次世界大戦中、ドイツ軍(ナチス)に支配されていたモンテカティーニでドイツ人兵士2人が殺される事件が発生した。
ドイツ軍将校であったマイヤーは10倍の20人を処刑するように指示し、モンテカティーニ市民20人が虐殺されていまう。
その中にはコリーニの父親も含まれていた。”
当時少年であったコリーニは目の前で父親の虐殺を「男として強くなるため」とマイヤーに無理やり見せられていた。
これにより、今回のマイヤー殺害の動機が判明する。
当時父親が打たれた拳銃であるワルサーP38。それをコリーニは復讐の際に利用したのだった。
当時父親がされたことをやり返すように。
裁判所の空気がコリーニに傾く中、検察(遺族)側のマッティンガー教授がその事件はすでにコリーニとコリーニの姉によって裁判が起こされていて、不起訴となり退けられていることを明かす。
この事実によってふたたびコリーニ側は不利な状況となった。
後半
次回の裁判でライネンは、予定していなかったマッティンガー教授を証言台に指名する。マッティンガー教授はそれに応じて2人のやり取りが始まる。
マイヤーが裁かれなかった理由、それはドレーアー法という法によってドイツ人が守られていたからだった。
しかも、ドレーアー法の起草を決定する会議に、当時新米弁護士だったマッティンガー教授が参加していた。
ライネンはドレーアー法が正当な法だったかを指摘し、マッティンガー教授は「違う」と非を認めるのだった。
判決は次回言い渡すこととなり、ライネンはコリーニに成果を伝え、コリーニはライネンと握手を交わすと留置所に戻っていった。
結末
判決を言い渡す裁判が執り行われるが、コリーニが現れない。
コリーニは留置所で自殺をしていたのだった。
コリーニの自殺により判決は下されることなく終了することとなった。
後日、ライネンの事務所にベルリンから手紙が届く。中にはコリーニの遺品である父と写った写真が同封されていた。
コリーニの葬儀に参列しに再びモンテカティーニに訪れるライネン。
ふと足元に転がっているサッカーボールを見つけ転がすと、少年時代のコリーニが現れ、ボールを受け取り父親と手をつないで楽しそうに去っていく。
それを見たライネンは嬉しそうにほほ笑むのだった。
感想
新米弁護士が不利な状況から逆転していくストーリー。
率直な感想としては、王道だけれど、見ていてとても面白かったです。
しかし、この映画は史実を知るとより深みが増します。
実際にドイツではドレーアー法に似た法律が存在していて、この物語が発表された後、再検討委員会が設置されたそう。
ドイツ国家を動かすほどもストーリーと考えるととても感慨深くなります。
また、映画ではライネンはコリーニに寄り添うシーンばかりが描かれています。
しかし、実際はライネンや娘のヨハナからすれば、父親を殺されており、コリーニと置かれた状況は変わりないのではないでしょうか。
表面だけでなく、登場するキャラクターごとに心情を察すると様々な感情が沸き起こってきてきます。
最後に
原作の小説を書いたフェルディナント・フォン・シーラッハさんは実際に弁護士をされていた方。
マッティンガー教授がライネンに司法取引を持ち掛けるなど、リアリティーのある描写などは弁護士の方ならではかもしれません。
映画ですが、社会問題にメスを入れた影響力の強い作品です。
被害者側・加害者側にもいろいろな感情を抱く社会派映画でした。
それではまた!
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